Escapism

現実逃避の記録

【絵本】うろんな客

この記事は絵本 Advent Calendar 2019 - Adventarの9日目の記事です。

今回は趣向を変えて、最近購入した大人向けの絵本を。エドワード・ゴーリー作『うろんな客』です。

うろんな客

うろんな客

大人向け絵本とはどういうものなのか?というと、この作者の場合、残酷な表現があったり救いのない話が多いという評判があるので、子どもに見せるにはあまりよろしくないという意味なのだと思います。ただ、この『うろんな客』にはそういった要素はありません。初めて読むには取っ掛かりにいいかなと思い選んだのですが、また違う意味で大人に向けたものだなあと感じました。

表紙からもわかるように本全体で独特な雰囲気を醸し出している絵本です。実物はかなり小さめの本です。

見開きの右ページは絵、左ページは文章なのですが、文章は原文(英語)と日本語訳が両方書かれています。

英文は短い文章ながらきっちり韻を踏んでいます。そして、それに対応する日本語訳がなんと短歌調!五七五七七です。(しかも最後の句は四文字熟語でほぼ統一されていたり。)翻訳者の仕事の流儀を感じ取れます。

ある夜突然現れた不思議な客が不可解な行動を繰り返し、家の者達が振り回される様子が描かれています。客の、見た目はかわいいけど少しイラっとする感じとか、一家のドン引き(?)の表情などがペン画に表れていてダークさもありながらコミカルな印象です。

読みながら、この「うろんな客」とは一体誰のことなのか? という疑問が湧きます。これについて、訳者があとがきで1つの見方を示しています。この本はあとがきまで読むとさらに味わいが増します。

熱狂的なファンが多数いるのもうなずける、すこし癖になる感じの絵本でした。